古民家の耐震について【古民家再生in多気町 第6回】

こんにちは!ブログ担当長手です!今回は古民家の耐震性、耐震工事についてです。

古民家改修を検討している方にとって、古民家の耐震性は大丈夫なの?というのは考えたことありますよね。古民家の耐震を考えるときは、そもそも耐震性とは何か?というのを考える必要があります。

現在の建築基準法に基づく耐震の考え方は、建物を筋交いや構造用面材などで壁を補強し、ガチガチにして耐える。まさに「耐震」という考え方です。

一方、古民家の伝統的な工法では、木材の粘り強さを活かし、太い柱、大きな梁、差し鴨居、足固めなどを多層に組み合わせ、地震が発生した際にこれらの接合部がめり込みつつ、木材の柔軟性を利用して地震に抵抗する免震的な考え方があります。この古民家・伝統的工法の考え方を「総持ち(そうもち)」と言ったりします。

『古民家解體新書Ⅱ』川上幸生著 p27より

現在、各市町村で行う無料耐震診断は、建築基準法に基づく「耐震」診断です。当然、古民家は基準に適合せず、低い評価を受けることになります。 では、古民家の耐震性はどのように判断するのか!?という話ですが、弊社も加盟している古民家再生協会が実施する「伝統耐震診断」という耐震診断方法があります。これについては別の機会に詳しく説明します。

では古民家の耐震補強はどのように行うか、という話。 いくら免震的な建物とはいえ壁があまりにも少ないと地震に耐えられないので、壁の補強を行います。なおかつ、元々ある免震的な機能を強化するためにダンパーを設置する場合もあります。古民家の耐震は、壁補強+本来の免震的機能の二本立てです。

古民家にお住まいの方、古民家改修を考えている方、耐震について気になることがあればお問合せくださいませ!

引き続き工事の様子や、その他建築の話をお伝えしていきます!

基礎工事完了と傾き修正【古民家再生in多気町 第5回】

こんにちは!古民家改修ブログの第5回目の更新です。前回は基礎ベースコンクリート打設までお伝えしましたが、今回は基礎工事の完了までの様子をお伝えします。

ベースコンクリートが固まったら、次は基礎立上り部分に型枠を設置します。型枠の設置が完了したら、再びポンプ車と生コンを手配して、立上り部分のコンクリート打設が行われます。これで基礎のコンクリート作業は無事全て終了しました。

新築工事では基礎を作ってから土台を敷きますが、今回は土台が設置されている下にコンクリートを流し込んでいきます。そのためコンクリートを流す空間として、土台の片側の型枠を10cm程幅広く設置してあります。土台の下いっぱいにコンクリートが詰まるように、なみなみに生コンを入れ、バイブレーターという道具で振動を与えて流れ込みやすくしていきました。

数日後、型枠を取り外し、基礎の周辺の掘削していた部分を埋め整地作業をして、今回の基礎工事はすべて終了です。

今回の建物の嵩上げと基礎工事を担当した曳家業者さん、建物の傾き修正も得意です。

基礎工事が完了した後、ワイヤーとターンバックルという道具を使用して、建物の傾きを修正しました。場所によって傾きが異なることがあるため、完璧な修正は難しいですが、かなりの程度まで修正が可能です。

建物の傾きを修正しておくことは、これから続く大工工事やサッシ・建具工事などの施工がよりスムーズに行えるようになります。

2ヶ月半ほどかかった嵩上げ、基礎工事が終了しました!続いては大工工事など作業が進んでいきます。次回は大工工事の様子をお伝えしていきます。どうぞお楽しみにしていてください!By長手